「投資を始めたいけど、何から始めればいいか分からない」
この状態で投資を始めた人の多くが、最初の1〜2年で大きなミスを犯します。知識が不十分なまま始めることで、避けられたはずの失敗をしてしまうからです。
しかし逆に言えば、始める前に知っておくべきことを把握しているだけで、多くの失敗を未然に防げます。
私は手取り15万円前後から資産形成を始め、金融資産1億円を超え、FIREを達成しました。投資を始めた頃に知っておきたかったことを、この記事に凝縮しました。
この記事では、投資を始める前に絶対に知っておくべき7つのことを解説します。これを読んだ上で始めることと、読まずに始めることでは、5年後・10年後の結果が大きく変わります。
知っておくべきこと① 投資はお金を増やす手段であり、目的ではない
投資を始める前に最初に問うべきことがあります。なぜ投資をするのか、という問いです。
老後の資金を作るため。FIREを達成するため。子供の教育費を準備するため。生活費の不安をなくすため。
目的が明確な人と不明確な人では、投資の続け方が根本的に違います。
目的が明確な人は、相場が下落しても「目的のために続ける」という判断ができます。一方で目的が不明確な人は、下落時に「なんとなく不安だから売る」という感情的な判断をしやすい。
投資を始める前に、なぜ投資をするのかを自分の言葉で明確にすることが最初のステップです。この問いへの答えが、長期投資を続けるための最も強力な動機になります。
知っておくべきこと② 緊急資金が先・投資は後
投資を始める前に、生活費3〜6ヶ月分の現金を確保することが必須条件です。
この現金を緊急資金と言います。突発的な出費・病気・失業など、予期せぬ事態に備えるためのお金です。
緊急資金がない状態で投資を始めると、突発的な出費が発生した時に投資を売ることになります。最悪のタイミングで売ることを強いられるリスクがあります。
例えば投資を始めた直後に相場が暴落して、同時に車の修理費が必要になったとします。緊急資金がなければ、暴落した状態の投資を売って修理費を捻出するしかありません。これは最も避けるべき状況です。
緊急資金が完成していない段階では、投資より緊急資金の積み上げを優先してください。緊急資金が完成した後に初めて、投資に回せる資金が生まれます。
知っておくべきこと③ 元本割れのリスクは必ず存在する
投資には元本割れのリスクがあります。投資した金額が減る可能性があるということです。
これは当たり前のことに聞こえますが、頭で理解することと体で理解することは違います。
実際に投資した資金が10%・20%・30%減った時の感情的なインパクトは、想像以上に大きい。多くの人がこの感情的なインパクトに耐えられず、安値で売ってしまいます。
元本割れのリスクを正しく理解するために重要な考え方があります。
長期で持ち続けることで、元本割れのリスクは大幅に低下します。過去のデータでは、全世界株式インデックスを20年以上保有した場合の元本割れ確率は非常に低い水準になっています。
しかし短期では大きく下落することがあります。投資を始めてすぐに30〜40%下落することも過去にありました。
この現実を理解した上で、下落しても売らずに持ち続けられる金額と期間で投資することが基本です。
知っておくべきこと④ コストは確実に発生するリターンの減少要因
投資においてコストは確実に発生します。リターンは不確実ですが、コストは確実です。そのためコストを最小化することが、投資で結果を出すための最も確実な方法の一つです。
投資にかかる主なコストを整理します。
信託報酬は投資信託を保有している間、毎年かかるコストです。年率0.1%と1%では、30年間の積立で最終資産に大きな差が生まれます。低コストのインデックスファンドを選ぶことが基本です。
売買手数料は株式・ETFを売買する際にかかるコストです。多くのネット証券では国内株式の売買手数料がゼロになっています。しかし頻繁な売買は手数料以外のコスト(スプレッド・税金)も積み上がるため、注意が必要です。
税金は利益・配当に約20%かかります。新NISAを活用することで、この税金をゼロにできます。
投資を始める前に、選ぼうとしている商品のコストを必ず確認してください。信託報酬が年率0.1%以下の低コストインデックスファンドを選ぶことが、長期投資の基本設計です。
知っておくべきこと⑤ 分散投資がリスクを下げる唯一の方法
「卵を一つのかごに盛るな」という投資の格言があります。一つの資産に集中投資するのではなく、複数の資産に分散することでリスクを下げるという考え方です。
分散投資には2つの軸があります。
資産の分散は株式・債券・不動産など、異なる種類の資産に分けて投資することです。一つの資産が下落しても、他の資産が下落をカバーする可能性があります。
地域の分散は日本・米国・欧州・新興国など、異なる地域の資産に投資することです。一つの国の経済が落ち込んでも、他の国の経済が成長していれば影響を限定できます。
全世界株式インデックスファンド(オール・カントリー)は、1本で世界約50カ国・3,000銘柄以上に分散投資できます。個別株のように一社の倒産で全額失うリスクがありません。
投資初心者が最初に選ぶべき商品として、全世界株式インデックスファンドが最も合理的な理由はここにあります。
知っておくべきこと⑥ 複利の力は時間が長いほど大きくなる
複利とは、運用で得た利益を元本に加えて再投資することで、利益が利益を生む連鎖が生まれる仕組みです。
複利の力を数字で確認します。
月3万円を年率5%で積み立てた場合の資産額を示します。10年後は約466万円です。20年後は約1,233万円になります。そして30年後は約2,494万円になります。
積立の総額は30年間で1,080万円です。しかし30年後の資産は2,494万円と、積立総額の約2.3倍になります。差額の1,414万円が複利の力です。
重要な点として、複利の効果は時間が長いほど大きくなります。10年目から20年目の増加(767万円)より、20年目から30年目の増加(1,261万円)の方が大きい。これが複利の加速効果です。
そのため投資を始める最適なタイミングは今日です。1年早く始めることで、複利の恩恵を1年分多く受けられます。
知っておくべきこと⑦ 情報は少なく・行動はシンプルに
投資を始めると、膨大な情報が流れ込んできます。SNSの銘柄推奨・ニュースの相場予測・投資系YouTubeの手法解説。これらの情報を追いかけるほど、判断が複雑になります。
重要な認識があります。投資において情報量と結果は比例しません。むしろ情報が多すぎると、感情的な判断が増えて結果が悪化することがあります。
長期のインデックス投資において必要な情報は少ない。低コストのインデックスファンドを選ぶこと。新NISAで積み立てること。下落しても売らないこと。この3つを守るだけで、多くの投資家より良い結果になります。
投資を始めたら、情報収集より行動をシンプルに保つことを意識してください。積立設定を自動化して、あとは何もしない。この「何もしない」を続けることが、長期投資で最も難しくかつ最も重要なことです。
7つのことを踏まえた上での最初のステップ
7つのことを理解した上で、今日からできる具体的なステップを示します。
まず投資の目的を紙に書きます。老後資金・FIRE・教育費など、自分の言葉で明確にします。
次に現在の貯蓄状況を確認します。緊急資金として生活費3〜6ヶ月分の現金が確保されているかを確認します。
そして証券口座を開設します。SBI証券または楽天証券で新NISA口座を開設します。
最後に積立設定をします。eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)またはeMAXIS Slim米国株式(S&P500)を選んで、毎月の積立額を設定します。金額は少なくても構いません。月3,000円から始めることもできます。
この4ステップを今日中に完了させることが、資産形成のスタートです。
まとめ:7つのことを知った上で今日始める
投資を始める前に知っておくべき7つのことをまとめます。
投資は目的のための手段であり、目的を明確にすることが出発点です。緊急資金の確保が先で、投資は後です。元本割れのリスクは必ず存在しますが、長期保有でリスクは大幅に低下します。コストを最小化することが確実なリターン改善策です。分散投資がリスクを下げる唯一の方法です。複利の力は時間が長いほど大きくなります。情報は少なく行動はシンプルに保つことが長期投資の核心です。
この7つを知っているだけで、多くの投資初心者が犯す失敗を防げます。しかし知っているだけでは何も変わりません。今日口座を開設して積立を始めることで初めて、資産形成がスタートします。


コメント