投資をしていれば、 必ず経験する瞬間があります。
口座を開いて、 残高を確認して、
含み損が大きく膨らんでいる。
頭では「長期投資だから大丈夫」と分かっている。
でも、 画面に表示された赤い数字を見ていると、 体が固まります。
今回は、 私が実際に含み損50万円を抱えた時の話を 正直に書きます。
綺麗にまとめた話ではありません。
あの時、 頭の中で何を考えていたか。 どれだけ売りたくなったか。 なぜ売らずに済んだか。
そのままを書きます。
含み損50万円が出た経緯
資産形成を始めてから数年が経ち、 少しずつ資産が積み上がってきた頃でした。
当時の私は、
インデックスファンドの積立
一部の個別株
を組み合わせて投資していました。
個別株の部分が問題でした。
ある企業の株を、 少し多めに保有していました。
業績が安定していて、 配当も出ていて、 長期保有に向いていると判断していました。
しかし、 その企業が属する業界全体に 逆風が吹き始めました。
最初は軽い下落でした。
「一時的なものだろう」 と思っていました。
しかし下落は止まりませんでした。
気づいたら、 その銘柄だけで 含み損が50万円を超えていました。
当時の私の総資産から見て、 50万円という数字は 非常に大きな割合でした。
あの時、頭の中で何が起きていたか
含み損50万円という数字を見た瞬間、 思考が止まりました。
しばらく画面を見つめて、 何も考えられない状態になりました。
そして次第に、 色々な考えが頭の中をぐるぐると回り始めました。
「今すぐ売るべきか」
損失を確定させれば、 これ以上は減らない。
でも50万円の損失を確定させるのは あまりにも痛すぎる。
「もう少し待てば戻るか」
いや、 戻る保証はどこにもない。
さらに下がったらどうする。
100万円の含み損になったら、 今より遥かに苦しい。
「なんで買ったんだ」
あの時の判断は間違いだったのか。
もっと分析すべきだったか。
自分は投資に向いていないのか。
「周りはどうしているんだろう」
SNSを見ると、 この銘柄について 様々な意見が飛び交っていました。
「まだ下がる」 「ここが底だ」 「損切り一択」 「ホールドすべき」
情報を見るほど、 判断が定まらなくなりました。
この状態が、 数日間続きました。
売ろうとした瞬間
含み損が出てから1週間ほど経った日、 私は売り注文を入力しました。
画面には、
確定損失:約52万円
という数字が表示されていました。
注文ボタンを押す、その直前で、 手が止まりました。
なぜ止まったのか。
今でも正確には分かりません。
ただ、 その瞬間に頭に浮かんだのは、
「売った後に、何をするのか」
という問いでした。
52万円の損失を確定させて、 その後どうする。
取り返そうとして、 別の何かに突っ込むのか。
また同じことを繰り返すのか。
その答えが出なかった。
売る理由が、
「損失をこれ以上見ていられない」
という感情だけだと気づいた。
投資判断ではなく、 感情からの逃避だと気づいた。
そこで注文をキャンセルしました。
その後、自分に問いかけたこと
売るのをやめた後、 改めて状況を整理しました。
感情を一度脇に置いて、 事実だけを並べました。
この企業の業績は、構造的に悪化しているか?
一時的な逆風ではあるが、 事業の根幹は壊れていない。
この含み損は、生活に影響するか?
痛いが、 生活費とは完全に分離している。 明日の食事に困ることはない。
最初にこの株を買った理由は、まだ有効か?
長期で保有する価値があると判断した理由は、 まだ生きている。
この判断は感情から来ているか、論理から来ているか?
売りたい理由が「怖いから」なら、 感情だ。
この問いかけを一つずつ整理することで、 少し冷静さが戻ってきました。
そして出した結論は、
「今売る理由は感情だけ。前提が変わるまでホールドする」
でした。
含み損と向き合い続けた数ヶ月
売らないと決めてからも、 苦しい時間は続きました。
毎朝口座を確認するたびに、 赤い数字がそこにある。
ニュースでその企業の名前が出るたびに、 心拍数が上がる。
友人と話していても、 頭のどこかに含み損のことがある。
この状態が、 数ヶ月続きました。
途中で、 「もう投資なんてやめたい」 と本気で思った夜もありました。
なぜこんな思いをしてまで投資をしているのか。
普通に働いて、普通に貯金した方が 精神的に楽なのではないか。
そう考えた夜が、 何度かありました。
転換点
含み損を抱えてから 約4ヶ月が経った頃、 少しずつ状況が変わり始めました。
業界全体の逆風が和らぎ、 株価が少しずつ回復し始めました。
含み損が50万円から40万円になり、 30万円になり、 20万円になっていきました。
そしてある日、 含み損がほぼゼロになりました。
さらにその後、 わずかですが含み益に転換しました。
その時の感情を正直に言うと、
安堵が8割、後悔が2割
でした。
安堵は、 持ち続けて良かったという気持ち。
後悔は、 あの数ヶ月間、 精神的に消耗しすぎたという反省。
この経験から学んだこと
含み損50万円を経験して、 学んだことを整理します。
① 感情と判断を分離する訓練が必要
含み損が出た時、 人は必ず感情的になります。
これは意志力の問題ではありません。
人間の本能として、 損失は利益より2倍以上強く感じる という研究があります。
だからこそ、 感情が出る前に判断基準を固定しておく必要があります。
「前提が変わらない限りホールドする」 「感情だけを理由に売らない」
このルールを事前に決めておくことで、 最悪の判断を防げます。
② 含み損の「耐えられる金額」を把握する
50万円の含み損が出た時、 私はギリギリ耐えられましたが、 精神的なダメージは大きかった。
今振り返ると、 その銘柄への投資額が 少し大きすぎました。
含み損が出ても冷静でいられる金額でしか投資しない。
これは、 頭で理解するだけでは足りません。
実際に経験して初めて、 自分の感情的な限界が分かります。
③ 情報を取りすぎると判断が壊れる
含み損が出た期間、 SNSや投資系のニュースを 見すぎました。
様々な意見が飛び交う中で、 自分の判断軸がどんどんブレていきました。
苦しい時こそ、情報を減らすべきでした。
外部の声ではなく、 自分が最初に立てた判断基準に 戻ることが正解でした。
④ 売らなかったことが正解だったとは限らない
これは重要な点です。
結果的に株価は回復しましたが、 これは運が良かった部分もあります。
もし企業の業績が 構造的に悪化していたなら、 売るべきでした。
重要なのは、
「売らなかった」こと自体が正解なのではなく、 「感情ではなく前提で判断した」 ことが正解だったということです。
前提が崩れた時は、 躊躇なく売るべきです。
あの時売っていたら
最後に、 売り注文を入力してキャンセルした あの瞬間を振り返ります。
もしあの時、 そのまま売っていたら。
52万円の損失を確定していたら。
その後どうなっていたか。
おそらく、 取り返したくて 別の投資に突っ込んでいました。
焦った判断で、 さらに損失を重ねていた可能性が高い。
そして、 「投資は自分には向いていない」 と結論づけて、 市場から退場していたかもしれません。
あの時売っていたら、 今の自分はいなかったかもしれない。
それくらいの分岐点だったと、 今は思います。
まとめ:含み損は試練ではなく、設計の確認作業
含み損は、 誰にでも起きます。
大切なのは、 その時に何をするかです。
感情で売らない
前提が変わったかを確認する
情報を取りすぎない
判断基準に戻る
これができれば、 含み損は 投資家として成長するための 重要な経験になります。
苦しい時期は必ずあります。
しかし、 その時期を設計で乗り越えた人だけが、 長期で資産を残せます。
このサイト「常勝投資思考」では、 綺麗な成功談だけでなく、 苦しかった経験も含めてリアルに発信していきます。


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