「子育て中でお金がかかるけど、新NISAの積立を続けられますか?」
子育て世代から最もよく聞かれる質問の一つです。
子供が生まれると支出が増えます。保育料・医療費・食費・衣類・習い事。子供の成長とともに支出は増え続けます。この状況で新NISAの積立を続けることは難しいと感じる人が多い。
しかし正直に言います。子育て中に積立を止めることは、老後資金の設計に大きな穴を開けます。止めた期間の複利機会の損失は、止めた期間の積立額より大きくなります。
私は手取り15万円前後から資産形成を始め、金融資産1億円を超え、FIREを達成しました。資産形成においてどの時期も止めないことの重要性を実体験として理解しています。
この記事では子育て中に新NISAの積立を続けるための設計と・教育費と老後資金を同時に進める方法を解説します。
子育て中に積立を止めることのコスト
まず子育て中に積立を止めることの実際のコストを数字で確認します。
月3万円の積立を5年間止めた場合のシミュレーションです。年率5%を想定しています。
30年間継続した場合の資産額:約2,494万円 5年間止めた場合(10年積立→5年停止→15年積立)の資産額:約1,872万円
5年間の停止で30年後の資産に約622万円の差が生まれます。
止めた5年間の積立総額は180万円です。しかし30年後の損失は622万円です。止めた期間の積立額の約3.5倍の損失が生まれます。これが複利機会の損失です。
この数字を見ることで、子育て中でも積立を止めない設計の重要性が理解できます。
子育て中の積立設計の基本原則
原則① 金額を減らしても止めない
子育て費用が増えて積立余力が減った場合、積立額を減らすことは構いません。しかし完全に止めることは避けてください。
月3万円から月1万円に減額することは合理的な判断です。月1万円でも継続することが止めることより長期では価値があります。
原則② 子育て費用の変化を事前に設計する
子育て費用は子供の年齢によって変化します。保育料が最もかかる0〜5歳・小学校で落ち着く6〜11歳・中高で再び増える12〜17歳・大学でピークを迎える18〜21歳。
この変化を事前に把握して積立額を段階的に設計することが重要です。
原則③ 教育費と老後資金を分けて管理する
教育費と老後資金を同じ口座で管理すると目的が曖昧になります。教育費用の積立と老後資金の積立を明確に分けることで、それぞれの目標が明確になります。
子供の年齢別の積立設計
子供の年齢別に積立設計の目安を示します。世帯手取り月40〜50万円を想定しています。
0〜2歳(保育料・乳幼児費用がピーク)
この時期は保育料・医療費・育児用品など支出が急増します。また産休・育休期間は収入も減少します。
積立の最低ライン維持を優先します。
新NISAの積立:月1〜3万円(減額して継続) 教育費用の積立:月5,000〜10,000円(別口座で積立開始)
児童手当(月15,000円)をそのまま教育費用口座に自動振替する設計が有効です。
3〜5歳(保育料継続・支出は安定)
保育料が継続しますが収入も回復しています。積立を少しずつ戻す時期です。
新NISAの積立:月2〜5万円 教育費用の積立:月10,000〜15,000円
6〜11歳(小学校・支出が落ち着く)
公立小学校の場合、保育料がなくなり支出が大幅に減ります。積立を回復させる最大のチャンスです。
新NISAの積立:月5〜8万円(本来の水準に戻す) 教育費用の積立:月15,000〜20,000円
この時期に積立を最大化することで、保育料期間の積立減少分を補えます。
12〜17歳(中高・習い事・部活費用増加)
塾・習い事・部活動など支出が再び増えます。また高校生になると扶養控除の変化も影響します。
新NISAの積立:月4〜7万円 教育費用の積立:月20,000〜30,000円(大学費用の準備を加速)
18〜21歳(大学・教育費ピーク)
大学費用が最大になる時期です。しかし教育費用口座の積立が完成している段階なので新NISAの積立への影響を最小化できます。
新NISAの積立:月5〜8万円(維持) 教育費:教育費用口座から取り崩し
教育費をどう準備するか
教育費の準備方法を整理します。
方法① 児童手当を全額教育費口座に積み立てる
児童手当は中学校卒業まで支給されます。0歳から15歳まで受け取り続けると総額約200万円になります。
この全額を教育費専用口座に自動振替する設計にすることで意識せずに教育費が積み上がります。
方法② 新NISAの成長投資枠を教育費に活用する
子供が生まれた時点で新NISAの成長投資枠を教育費用として積み立てる設計も選択肢の一つです。
ただし大学入学のタイミングが相場の暴落と重なった場合に資産が減っている可能性があります。そのため大学入学の3〜5年前から教育費用分を現金・定期預金に移していく設計が安全です。
方法③ 学資保険との組み合わせ
元本保証を重視する場合、学資保険で教育費の一部を確保する設計もあります。ただし低金利環境では返戻率が低く・解約時の損失リスクもあります。新NISAと組み合わせる場合は役割分担を明確にすることが重要です。
育休中の積立設計
産休・育休中は収入が大幅に減ります。この期間の積立設計を事前に決めておくことが重要です。
育休前にやること。育休中の収入見込み(育児休業給付金)を確認します。育休中の生活費を計算して積立余力を把握します。積立額を育休前に減額設定しておきます。
育休中の推奨設計として、新NISAの積立を月1〜3万円に減額して継続します。緊急資金は育休前に6ヶ月分以上確保しておきます。
育休明けに収入が戻ったタイミングで積立額を元の水準に戻します。できれば育休前より増額することが理想です。
子育て中に活用できる制度
子育て世代が活用できる節税・支援制度を整理します。
児童手当
中学校卒業まで支給されます。月額は子供の年齢・所得によって異なります。全額を教育費口座に自動振替することが最も合理的な活用法です。
医療費控除
子供の医療費は家族全員と合算できます。年間10万円を超えた場合に確定申告で控除申請できます。領収書を1年間保管することが必要です。
扶養控除
16歳以上の子供がいる場合に扶養控除が適用されます。16〜18歳は一般扶養控除(38万円)・19〜22歳は特定扶養控除(63万円)が適用されます。これらを確実に申告することで住民税・所得税の負担が減ります。
子育て中の積立でよくある失敗パターン
❌ 保育料が終わったら始めようと先送りする
保育料がなくなるのは子供が小学校に入る6歳の時です。6歳まで積立を止めると6年間の複利機会を失います。少額でも今すぐ続けることが重要です。
❌ 教育費と老後資金を同じ口座で管理する
目的が曖昧になり教育費として使いすぎることがあります。口座を分けることで管理が明確になります。
❌ 子供のために老後資金を取り崩す
子供の教育費のために新NISAを解約することは避けてください。老後資金を子供の教育費に使うことは長期的に家族全員にとってマイナスになります。教育費は別途準備する設計が基本です。
❌ 大学費用をすべてNISAで運用する
大学入学直前の暴落で資産が減るリスクがあります。使う時期が決まっている教育費の一部は現金・定期預金で安全に積み上げる設計が必要です。
まとめ:子育て中こそ止めない設計が重要
子育て中の新NISA積立設計をまとめます。
子育て費用が増えた時は積立額を減らすことは構いません。しかし止めないことが最重要です。5年間止めると30年後の資産に600万円以上の差が生まれます。
教育費と老後資金を分けて管理することが基本設計です。児童手当を全額教育費口座に自動振替する設計が最もシンプルです。
子供が小学校に入り保育料がなくなる6〜11歳が積立を最大化する最大のチャンスです。この時期に積立を増額することで子育て初期の積立減少分を補えます。
子育て中の設計は完璧である必要はありません。少額でも続けることが最も重要です。


コメント