「年末調整で控除の申告を書き忘れてしまいました。取り戻せますか?」
毎年12月〜1月にかけて届く質問です。
年末調整の書類は複数あり・記載する項目も多い。うっかり書き忘れた・証明書を提出し忘れたというケースは非常に多い。
結論から言います。年末調整で書き忘れた控除のほとんどは確定申告で取り戻せます。しかも5年間遡って申告できます。
私は手取り15万円前後から資産形成を始め、金融資産1億円を超え、FIREを達成しました。税金を確実に取り戻すことが資産形成の積立原資を増やす確実な方法だと実体験として理解しています。
この記事では年末調整の書き忘れを確定申告で取り戻す方法を解説します。
年末調整で書き忘れやすい控除5選
まず年末調整で書き忘れやすい控除を確認します。
① 生命保険料控除
生命保険会社から10月〜11月頃に届く「生命保険料控除証明書」を年末調整書類に添付し忘れるケースが最も多い。
控除額は生命保険・介護医療保険・個人年金保険の各区分で最大40,000円(住民税は28,000円)・合計最大120,000円です。
② 地震保険料控除
地震保険の証明書を添付し忘れるケースです。控除額は最大50,000円(住民税は25,000円)です。
③ 住宅ローン控除(2年目以降)
住宅ローン控除の初年度は確定申告が必要ですが2年目以降は年末調整で処理できます。しかし「住宅借入金等特別控除申告書」の提出を忘れるケースがあります。
住宅ローン控除は税額控除のため金額が大きい。書き忘れると数十万円単位の損失になることがあります。
④ 配偶者控除・配偶者特別控除
配偶者の収入が一定以下の場合に適用される控除です。共働きで配偶者の収入が変化した年に申告漏れが発生しやすい。
⑤ 扶養控除
子供・親族を扶養に入れる手続きを忘れるケースです。特に子供が16歳になった年・19歳になった年(特定扶養控除の適用)は控除額が変わるため確認が必要です。
年末調整の書き忘れは確定申告で取り戻せるか
結論を明確に言います。
ほとんどの場合、確定申告で取り戻せます。
年末調整で漏れた控除を確定申告で申告することを「還付申告」と言います。還付申告は確定申告期間(2月16日〜3月15日)以外でも申告できます。
さらに重要な点として還付申告は5年間遡って申告できます。2020年分の年末調整で書き忘れた控除は2025年に申告することで還付を受けられます。
5年間遡れる還付申告
還付申告の申告可能期限を確認します。
2024年分(2024年1月〜12月):2029年12月31日まで申告可能 2023年分:2028年12月31日まで 2022年分:2027年12月31日まで 2021年分:2026年12月31日まで 2020年分:2025年12月31日まで
過去に書き忘れた控除がある場合は今すぐ申告することで還付を受けられます。
確定申告で書き忘れを取り戻す手順
ステップ① 書き忘れた控除と必要書類を確認する
まず何の控除を書き忘れたかを確認します。
生命保険料控除なら生命保険料控除証明書が必要です。地震保険料控除なら地震保険料控除証明書が必要です。住宅ローン控除なら住宅借入金等特別控除申告書・残高証明書が必要です。
書類を紛失している場合は保険会社・金融機関に再発行を依頼できます。
ステップ② e-Taxで確定申告書を作成する
国税庁の確定申告書等作成コーナー(e-Tax)にアクセスします。
「給与所得者の還付申告」を選択して画面の指示に従って入力します。書き忘れた控除の金額・証明書の内容を入力します。
ステップ③ 源泉徴収票を準備する
会社員の場合、会社から発行された源泉徴収票が必要です。源泉徴収票には給与収入・源泉徴収税額・すでに適用された控除が記載されています。
紛失した場合は会社に再発行を依頼します。
ステップ④ 申告・還付を受ける
e-Taxで電子申告することで自宅から申告が完結します。マイナンバーカードがあれば印刷・持参なしで申告できます。
還付がある場合は申告後1〜2週間程度で指定口座に振り込まれます。
書き忘れ別の還付額シミュレーション
よくある書き忘れパターン別の還付額の目安を示します。
生命保険料控除を書き忘れた場合
年収500万円(所得税率20%・住民税10%)で生命保険・介護医療・個人年金の3区分をすべて書き忘れた場合の最大還付額です。
所得税:控除額120,000円×20%=24,000円 住民税:控除額70,000円×10%=7,000円 合計還付額:約31,000円
地震保険料控除を書き忘れた場合
年収500万円で地震保険料50,000円以上を書き忘れた場合の最大還付額です。
所得税:控除額50,000円×20%=10,000円 住民税:控除額25,000円×10%=2,500円 合計還付額:約12,500円
住宅ローン控除を書き忘れた場合
住宅ローン控除は税額控除のため金額が非常に大きくなります。年末残高の0.7%が直接税額から差し引かれます。
住宅ローン残高3,000万円の場合、住宅ローン控除額は21万円です。書き忘れた場合の損失は21万円になります。
住宅ローン控除は特に書き忘れた場合の損失が大きいため最優先で確認することをおすすめします。
年末調整の書き忘れを防ぐ設計
来年の書き忘れを防ぐための設計を示します。
設計① 10〜11月に控除証明書を一箇所に集める
保険会社からの控除証明書・住宅ローンの残高証明書など年末調整に必要な書類が10〜11月に集中して届きます。届いたら専用ファイルに入れる習慣を作ります。
設計② 年末調整チェックリストを作る
自分に関係する控除をリスト化しておきます。毎年このリストを確認することで書き忘れを防げます。
生命保険料控除の証明書はあるか。地震保険の証明書はあるか。住宅ローン控除の申告書・残高証明書はあるか。配偶者・扶養家族の収入に変化はないか。
設計③ 会社の年末調整担当者に確認する
年末調整書類の提出後・担当者に「控除の漏れがないか確認してもらえますか」と一言添えることで、担当者が気づいてくれることがあります。
確定申告でさらに節税できる機会
年末調整の書き忘れを確定申告で取り戻すついでに・他の控除も一緒に申告することで節税額をさらに増やせます。
医療費控除
年間の医療費が10万円を超えた場合に申告できます。年末調整では申告できないため確定申告が必要です。
ふるさと納税(確定申告方式)
6団体以上にふるさと納税した場合・またはワンストップ特例を使わなかった場合は確定申告で控除を申請します。
iDeCoの掛金控除
会社経由でiDeCoに加入している場合は年末調整で処理されます。しかし個人払い(口座振替)の場合は確定申告で申告が必要です。
税金の還付を資産形成に組み込む
確定申告で取り戻した税金の還付金を積立に回すことで節税が資産形成に直結します。
例えば年間3万円の還付金を毎年積立に追加した場合、30年後(年率5%)に約199万円になります。
書き忘れた控除を確定申告で取り戻して・その還付金を積立に回す設計が資産形成を加速させる確実な方法です。
まとめ:年末調整の書き忘れは確定申告で5年間遡って取り戻せる
年末調整の書き忘れについてまとめます。
生命保険料控除・地震保険料控除・住宅ローン控除・配偶者控除・扶養控除などの書き忘れは確定申告で取り戻せます。
還付申告は5年間遡って申告できます。過去に書き忘れた控除がある場合は今すぐ申告することで還付を受けられます。
e-Taxを使えば自宅から申告が完結します。マイナンバーカードがあれば印刷・持参なしで申告できます。
還付を受けたら積立に回す設計を作ることで節税が資産形成に直結します。


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